2022 年度に受けた講義でおもしろかったやつ挙げてけ

はじめに

履修も大詰めということで、昨年度受けた講義で選択科目であるものをピックアップしてまとめてみる。 ここで取り上げるのは印象に残った講義、言語化できる講義になる。 それらを、講義の根底にあるであろうQuestion、課題内容と、感想をそれぞれ書いていく。

あと、昨年度(の特に春学期)はオンデマンドメインで課題の形式や内容が異なる可能性があるので注意されたい。

前提

私は図書館に敬意を持ち、プログラミングに抵抗がなく、基本的には興味のある科目を取っていることに注意されたい。 図書館に興味がない、または、プログラミングに抵抗がある場合は注意するべきである。

また、私の2022年度の履修は以下のようであった。

知識情報概論

Question: 知識情報・図書館学類が扱う領域とは何か?

内容

人工知能と教員の会話ベースで、そのやりとりがおもしろい。 KLiS がやっていることの全体像がおおまかに掴めるような気がする。

課題

確か、課題はなく、テスト100%だったような気がするが、そこまで難しいわけでもなかった。

ディジタルライブラリ

Question: 「Google があれば大学図書館は不要か?」

内容

  1. KLiS の扱う一分野である学術情報流通の一端を見ることができる

感想

知識情報概論担当の教員が講師をしていることからわかるように、教員の話がおもしろい。 また、担当教員はTulipsの設計に携わっていたため、後半にはTulipsの設計思想について語ることがあるが、ここでは筑波大学図書館のシステムの先進性を知ることができ、おもしろかった。

Web プログラミング

Question: 「Web はどのように進化してきたか?」

内容

具体的には、IETF RFC の基礎から始まり、HTTP の規格の基礎をやってから、 CGI から始まって、AjaxJSONP など今の Web がどのように進化してきたを解説する講義になります。

課題

去年は課題と最終レポートで成績が決まった。 自分としてはやや難しい課題であったが、周りを見ると、課題はやや厳しめだった?ような気がする。 最終レポートはおおまかな内容としては講義をまとめるようなもので、10000 字程度だったような気がする。

感想

教員の脱線で始まる昔のインターネット、Webの話が好きだった。

知識論

Question:「哲学において知識とは何か?」

内容

具体的には知識情報概論で触れられていた、プラトンの「Justify Truly Brief」(正当化された真なる信念)の穴を突いてきた人々の歴史をたどるようなものとなる。

課題

毎回の講義後に、内容をまとめるような小レポートが出される。さらに、最終レポートで全体をまとめるような内容が出題される。 教科書が割と平易で読みやすいのはよかった。

ソフトウェア工学

Question:「人間にとって開発しやすいソフトウェアアーキーテクチャ(デザインパターンは?」

内容

デザインパターンVCSアジャイル開発などを取り扱う。 特にデザインパターンを扱うことが時間的に多かった。 人間が開発、メンテナンスしやすい設計、ツールについて学ぶ

課題

毎回の講義後にトピックに関連する課題が出され、最終レポートでは講義で学んだことを生かして過去作ったものを改善する手法について記述する。

ビジネスシステムデザイン A ・ B

Question:「ユーザにつかってもらえるサービスはどのように作ればいいのか?チーム開発はどのようになされるべきか?」

内容

通称 enPiT。 詳細はここを参照するとよいかも?

eniehack.hatenablog.com note.com

メンターによって雰囲気が変わりやすい講義のような気がしている。 今年は、かなりプロダクト目線のメンターが多く、技術的な指摘をするメンターは少なかった。来年はどうかはわからない。メンター陣を見る限りでは、2023 年度は技術寄りになりそうな気がしている。

感想

でも、顧客のためのソフトウェアをどう作るか?という視点を得られたのはよかった

知識情報演習 I

Question:「目録をデータベースに落とし込むにはどのような型であるべきか?」

内容

前半は、NII の目録総合データベース、NACSIS-CAT のスキーマを学ぶ。

後半は、Python、Flask と Google Colaboratory を使って OPAC もどきを作る。 プログラミングに苦手意識があると、やや難しいような気がするが、教員からのサポートは受けられるし、Teams で質問しても帰ってくるのでドシドシ使うとよい。 この出来によっては学類から表彰されるので頑張るとサイトに掲載されるので、対外的なウケもよさそうな気がする。

感想

表彰されたし、開発もできたしで個人的には満足だった。

知識情報演習 II

Question:「リファレンスサービスはどのようになされるのか?」

内容

司書は本の貸出係ではなく、リファレンスサービスという利用者の探し物を手伝うのが本質である、と個人的に勝手に思っている。 そのリファレンスサービスを行うにあたり、その情報源をどのように使えばよいのかなどを課題を通して実践的に学ぶことができるのが前半。

後半はその技能を応用して、パスファインダーを作る。 パスファインダーとは、特定テーマの調べ物を手助けするためのリーフレットまたは Web ページのことで、多くの公共図書館大学図書館がネットで公開している。 ここで使うのは HTML、CSSJavaScript で CJE1 よりも比較的プログラミングの難易度は下がる。

課題

毎週レポート課題が出される。 前半の最終レポートは夏休みの課題として実際にリファレンスサービスをやってみる課題(問いに対して答える)が出されます。 後半は自分の好きなテーマに関するパスファインダーを作る課題が9週目で出るのが一番時間のかかる課題かなあと思います。

Human Information Interaction

Question:「人間と情報はどのような関わりを持っているのか?」

内容

Questionがかなり抽象的でわかりにくいが、1つ挙げるとするなれば、本、GoogleSNS から人間は情報を得ることが多いが、その時どのように経過を経て情報を得るのか?ということを扱う。人間がわからない概念と直面するとき、どのようにしてそれを理解していくのか、というプロセスについて扱う。

方式

講師は留学経験のある日本人の先生だが、テキストや講義動画は全て英語である。 レジュメになっている講義動画を見て、テキストを黙々と読み、課題を解くというのが毎週の流れになっている。

課題

毎週manabaの小テストで課題が出される。締め切りが短く難しい問題が多い。たいていの場合は10題であることが多い。

テクニカルコミュニケーション

Question:「取説はどのようにして作られるのか?どのように作るべきなのか?」

内容

2 人の講師が、使用説明の作るプロセスについて座学の説明と、実際に使用説明を作る実習の部分をそれぞれ隔週で担当するような形で展開される。

課題

当日19:00までとか、翌日18:00までとか提出期限が短い。 さらに、座学ほうがスライドが多いことがあるので講義を詰め過ぎるとかなりキツいので気をつけたほうがよいかも。

比較憲法

「各国の憲法日本国憲法と比べてどのように違っているのか?どのようにしてそのような構造になっているのか?」

内容

各国の憲法を比較しながら学ぶことができ、講義の前の回で登場した憲法との比較なども行うまた、その憲法の条項が作られた背景も解説される。

講義の流れとしては、以下の通りである。 まず、座学の講義を受ける。次に与えられた問いに対して、ディスカッションする。最後にディスカッションの結果を全体に発表する。

感想

人文・社会系の講義を初めて受けたので、ディスカッションをする講義に新鮮さを感じた。 質問をしても講師の先生もTAの方も優しく答えてくれるので、モチベーションが爆上がりだった。

知識コミュニケーション

この講義は2つの問いがあるような気がしている。

  • 「コミュニケーションをどのように分析するか?」
  • 「さまざまなコミュニケーションがそれぞれどのように捉えられてきたか?」

内容

コミュニケーションの分析手法について解説した後、

課題

講義履修者は1度は読書課題を行う。これは、先生が選んだ参考図書から1つの図書を選び、おもしろかった点についてスライドにまとめて発表する、というものである。

また、語句の意味を問うものと、小論文で構成されるテストが期末に行われる。

感想

読書課題の課題図書はおもしろいものばかりで発表を見ていてとてもおもしろかった。普段では知ることのできないことについて知ることができるのでたのしい。

図書館建築論

「図書館の機能を最大限引き出すデザインとは何か?」

内容

海外の図書館や講師の作った図書館などから、図書館のデザインについて考える。 ここにおけるデザインとは「ものの機能を最大限に引き出すフォルム(またはその他の工夫)」と「見てくれ」の双方について議論するのだが、前者があってこその後者というスタンスをとっていて、かなり好感が持てる。 建築家の方が講師だが、図書館に対して尊敬しているというのがステキポイント。

課題

講義内で完結するレポートのみ。 毎回のレポートと最終レポートがある。毎回のレポートでは講義内容についての感想がメインで、最終レポートは要約すれば「ぼくの考えたさいきょうの図書館」の企画書を書くというテーマになる。最終レポートは9回目に書いて10回目に優秀な企画書がピックアップされその中から優秀賞を決めるという感じになる。

感想

図書館に愛着があるほうなので、普通におもしろかった。 知識科学主専攻開設だけど、資源生が好きそう。

おわりに

KLiSの講義は基本的におもしろい講義ばかりで受けててたのしかった。 取りすぎ詰め込みすぎて死にそうだったけど……。

本年度は自分の興味に従った履修をしていきたい。 あとは、履修しない勇気をしっかり持つこと。それが大事。昨年度の教訓。 ジャックダニエルコーク缶をほぼ飲み干し、まぶたが重くなっているのでこのへんで。